ウイスキーの小ビン
ポケットから取り出し、グビッと舌の上にのせながら、くるくる回すと、ゆっくり溶けてしみ込んでいく。
まるで、硝子板の上の水玉が、ころころ転がり落ちるのに似ています。
こんなゆっくりとした時間を、琥珀色の液体が、体の隅々まで運んでくれるひとときがあります。
車窓からの風景は、暖かな光とともに、ひなたぼっこに誘ってくれています。
遠くの山は、まだ雪が残っているのに、春の中を駆け抜けながら、開放感と安堵感が、漂っています。
生きている瞬間とは、こんな時間が止まっているホッとした瞬間、なのかも知れません。
八ヶ岳山麓にて・・・・・・・